嚥下チェッカー

体性感覚の入力

体性感覚の入力の概要

体性感覚の入力とは 体性感覚の入力とは、触覚、圧覚、温覚、冷覚、運動感覚といった様々な体性感覚刺激を入力することで意識レベルの改善を図るプログラムです。
体性感覚の入力の方法 触覚 肌表面に触れ、刺激を与えます。手で触れたりざらざらしたタオルで触れるなど、刺激のタイプを変えてみるのも良いでしょう。
圧覚 身体表面を痛くない程度にグッと押さえ、圧迫されたような刺激を与えます。
温覚 明確に温かいと感じてもらう事が大切ですので、日向ぼっこをして太陽の温かさを感じるのも良いですが、ホットタオルなど明らかに体温よりも高い温度の物を肌に当てると良いのではないでしょうか。もちろん火傷をしないよう注意が必要です。
冷覚 温覚同様、明らかに冷たいと感じることが出来るように体温よりも低い温度の物を肌に当てます。冷水で手や顔を洗うのも良いでしょう。
運動感覚 身体を動かすことで筋、関節および腱の受容器へ刺激を与えます。ご自身で身体を動かす事が困難な方は介助者が介助しながら手足を曲げたり伸ばしたり、上に上げるなど動かします。高齢者においては可動域が制限されている事もしばしばあるため痛みが出ない程度に行う事が重要です。
体性感覚の入力、どんな人に必要? 食事時または常時に意識レベルの低下があり、食事を摂取することが困難な方。
体性感覚の入力の意義 体性感覚を積極的に入力する事、いわゆる刺激を与える事で、意識レベルの低下が改善したという報告があります。脳の体性感覚野(身体からの感覚情報を受け取る部分)において、手や唇が非常に広い範囲を占めているため、手や唇を刺激すると、より脳の広い範囲に刺激を与えることが出来ると考えられます。つまり、手を使って口で食べるという行為自体が体性感覚を入力する非常に効率的な行動であるといえます。意識レベルの低い利用者様は介助で食事をされる方が多いと思いますが、できる限り利用者様にスプーンを握ってもらい、その手をサポートするような形で介助をするなど、介助方法を工夫する事で食事中の意識レベルを維持することが出来る場合もあります。
もちろん皆さんが普段から行われているような、声をかけたり、明るいところへ連れていくなどの視覚や聴覚を介した刺激の入力も有効ですので併せて行ってください。

嚥下チェッカーは、食事場面の観察から嚥下障害の可能性を提示し、誤嚥を予防することを目的に作成されたサイトです。結果に関わらず気になる症状があれば、医師または歯科医師に相談してください。
また、本サイトで提示しているトレーニングは、摂食嚥下機能訓練を行う際に選択される一般的なものを採用しています。実施に際しては、専門家と相談のうえ行うようにしてください。