嚥下チェッカー

環境調整(注意障害)

環境調整(注意障害)の概要

環境調整(注意障害)とは その人にとっての“食事”に適した環境を作る事で食べることに集中してもらえるように努めるプログラムのことを指します。
環境調整(注意障害)の方法 静かな場所を確保し、視界に余計な刺激が入らないようにします。可能であれば、個室などを用意すると良いですが、難しい場合にはパーテーションで食事席を区切るなどの方法もあります。
環境調整(注意障害)、どんな人に必要? キョロキョロと周囲を見回したり注意散漫で、食事が進まない方。
環境調整(注意障害)の意義 注意障害のある方は色々な音や物に注意が移ってしまい、目的の動作が困難になってしまうことがあります。その為、余計な刺激が入らないように食事環境には、必要のないもの以外は置かないように配慮し、目的の動作を行えるようにします。そうすることで、注意が散漫になることを防ぎ、食事が進みやすくなります。また、食事に集中するという点からは、テーブルや食事トレー、食器の模様も重要となります。模様に目を取られてしまい、食事の進行が妨げられることがあるため、食事が見えやすくなるような食器が用意できると良いでしょう。注意障害が重度な場合には、個室を用意するのも良いでしょう。施設など大勢の方が共同スペースで食事をされており、なおかつ個室などで1対1のケアを行うことが難しいなど、静かな場所の確保が難しい場合もあると思いますが、賑やかな席から離れたり、壁側を向いて座ってもらうなど少しの工夫である程度改善される事が多いです。
s 注意障害など高次脳障害といわれる状態になった方は、日常生活上の問題が何を原因として起きているのか、どのように対処したらよいのか分からず、不安になる方もいます。それぞれの心理状態にも配慮することで、感情的な安定をもたらすだけでなく、注意機能を十分に引き出すともいわれています。

環境設定(注意障害)の症例

90歳 女性 食事摂取量が6割程度であり、栄養指標であるアルブミンが3。3g/dlと低値になっていました。食事後半には仙骨座りになってしまい、むせ込む頻度が多くなるなどの症状もみられました。食べ始めから食べ終わりまでが50分程かかっており、摂取ペースが遅く耐久性が低い事が原因ではないかと思われました。食事提供量を半量にし、もう半分の栄養は高カロリー飲料などを飲んでもらう事で対応しました。食事時間は30分程度に短縮され、アルブミンは4。0g/dlと基準値まで改善。当初は食事介助も検討していましたが、食事中の姿勢の崩れやむせ込みも軽減したため、自己摂取を継続することが可能となりました。

嚥下チェッカーは、食事場面の観察から嚥下障害の可能性を提示し、誤嚥を予防することを目的に作成されたサイトです。結果に関わらず気になる症状があれば、医師または歯科医師に相談してください。
また、本サイトで提示しているトレーニングは、摂食嚥下機能訓練を行う際に選択される一般的なものを採用しています。実施に際しては、専門家と相談のうえ行うようにしてください。